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| TOP | オーディオコンポへのこだわり >>
好きなオーディオ評論家
■瀬川冬樹さん
国産中級クラスから海外最高級クラスまで、価格に関わらず良いものは良いと評価した評論家。
なんとか手の届く製品から高級車が買えるほどの製品まで、夢と現実の両方を楽しませてくれた。
この時代の製品は、いつか自分も手に入れたいという憧れの製品が多かった。
その評論には目標とする音に近づけるための解説が整然と示されており説得力があった。

 

この人の影響で手に取ったコンポはモノラルパワーアンプのラックスB12、プリアンプのラックス5C50、
マイクロ精機のプレーヤ、カートリッジのエラック795E。
いずれも評論通りの音で驚いた。一言で言うなら水もしたたるいい音。
現役であればグレードアップする気が起きなかったであろう魅力的な製品だった。

 

しかしその後・・新しもの好きの虫が発生してオーディオ誌で褒められる製品に次々買い替え、
満足できないままオーディオ沼に入り込んでしまうことに。

 

■長岡鉄男さん

コストパフォーマンスという言葉を確立させ国産機の性能を底上げした評論家。

海外製品は1ドル360円の時代にあってコストに見合わないとして取り上げなかった。
変動相場の時代になっても海外製品は部品からOEMまでほとんどが日本製であり逆輸入のコスト高を嫌って取り上げていない。
その評論は持ち前の文章力によって目に見えるように表現され非常に参考になるものであった。

 

長岡さんは一貫した省エネポリシーを持っていた。自身が貧乏性と公言する通り無駄を徹底して嫌う。

この考えにより若い世代のユーザーを中心に当時圧倒的な支持を受け業界を動かすほどの影響力を持った。

通常のスピーカーはユニットの前面の音しか使っていない。
そこでこだわったのが、ユニットの背面の音も使うバックロードホーンや共鳴管システムだ。
バックロードホーンは裏面の音までほぼ100%使っておりその能率は1メートルで1ワット時に100dbを超える。
この高能率スピーカーをリファレンスとするためアンプの音質は通常の10分の1の出力領域がシビア評価された。
長岡さんの評論はアンプの小音量時のクオリティーにフォーカスされていたと言っていいだろう。

 

同様の省エネ思想で、海外製に例が多い低能率ウーハーと高能率ホーンのマルチウエイも嫌っていた。
ウーハーとバランスをとるためホーンには10db超のアッテネータを介す。
このためアンプのパワーの90%はこのアッテネータが消費することになる。
なんともったいないことか、というわけである。

 

もう一つ、長岡さんがこだわっていたのがパワーMOS-FETだ。
特に小音量時の音の粒度がバイポーラトランジスタとは一線を画すきめ細かさとキレの良さがあると主張されていた。

 

母屋にメインシステムを構えていた時代の長岡さんの評論は国産エントリー機から国産中級機までに限られていた。
長岡さん自身、自分で買ったものは鉛の重しくらいでコンポはメーカーが勝手に置いていくと言っていた。
長岡さんの元にはエントリーからハイエンドまで様々な機器が持ち込まれ、
メーカーからはハイエンドをリファレンスにしてほしいと申し出を受けるがすべて断ったそうだ。
これは自身が買うことを考えた際、分相応の価格でワンランク上の音を狙うというポリシーを貫いたからだ。

その結果、競争が激化し国産エントリーは海外製中級機並み、国産中級機は海外製高級機に勝る物量投入時代となり、

メーカは薄利となってしまったようだ。

 

ユーザにとって長岡さんの大きな功績は、自身がリファレンスとしていた20万円〜30万円の中級機のクオリティを圧倒的に押し上げたことだ。
なにしろメーカーは最高でもこの価格帯に納めなければ取り上げてすらもらえない。
手を抜いて作れば良い評価はもらえない。良い製品を作ってリファレンスで使ってもらいたい。
メーカは総力を挙げてこの価格帯に最大の物量を投入せざるを得なかったわけだ。
ユーザはその恩恵を受けて庶民でもなんとか手が届く価格で「最高の音」を手にすることができた。

 

長岡さんの影響で組んだシステムはサンスイのAUα907iMOS、デンオンのPRA-2000、2000Z、ケンウッドKP-1100、
そしてFOSTEXの20センチx2のバックロードホーン。
特にサンスイのAUα907iMOSは長岡さんの母屋で最後まで使われていたアンプである。

 

1990年代、方舟に仕事の拠点を移されてから長岡さんは変わった。
メーカを競争させる評論から褒め上げる評論に変わり、国産・海外問わず持ち込まれた最高級品からリファレンスを選ぶようになった。
「今は我々がメーカーを支えてやらにゃいかん」長岡さん晩年の言葉である。
アナログへの拘りは最後まであったようで、最高級プリを使ってもフォノ入力にはPRA-2000Zのイコライザー部を使っていた。
本当は引退して静かな環境で悠々自適に音楽を楽しみたかったのではないだろうか。
 
■小原由夫さん
最近ではこの人が音のわかる信頼できる評論家だと思っている。
なぜなら、リファレンスに頂点の機種を使っているからだ。最高の音を知らなければ音の評価はできない。
そしてこの2年間使い込んでようやく開眼したヤマハのA-S2100の音質を的確に評価されている唯一の評論家である。
昔は半年ごとに新製品が出るのが恒例だったため評論家が言ったことはすぐ流れてしまう。
後から再び評論することなどもなかった。
ユーザーも半年ごとにせっせと買い替えるから以前の機種など眼中から消えてしまう。

しかし製品サイクルの長くなった現在では数年前の製品も現役である。
自宅で使って音を熟知している機材の評論は評論家自身を評価する上でも都合が良い。
技術者の話の受け売りや、他の評論家の言葉、価格に左右され、きちんと音と向き合ってない評論家の多いこと。
そんな中にあって小原由夫さんには音や良いコンポに対する愛情や目効きの確かさが感じられる。

意味の分からない日本語を駆使して分かったような提灯評論をする職業評論家とは一線を画す。

 

評論家は悪い製品を悪いと評価することはできない。そんなことをしたら依頼が無くなり干されてしまう。

オーディオブームが去った現代に頼りになる評論家とは、むやみに数多くの製品を評論している評論家ではなく、

自分が良いと評価できる製品だけを評価する評論家だ。

posted by kitigreen | 20:57 | Audio | comments(0) | - |
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